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カムカムプロジェクトの実践報告

5.実践内容(2)

アマゾン写真

当初、貧困対策、雇用対策として、少なくとも悲惨な現状よりは、農民の収益を上げるのが目的でしたが、ただそれだけではなくコカの代替作物として、コカを栽培するよりも収益が上がるカムカムの栽培方法を考える必要が出てきました。そこで、収穫までの期間が早くなり、より収量が増えて収益が上がるように、接き木苗による栽培を普及することにしました。


アマゾン川に浮かぶ船

接ぎ木苗は、農民なら誰でもできるというわけではありませんので、我々が苗を作って、農業省を通じて配布することにしました。実生苗は500万本、接ぎ木苗は30万本まで作りましたが、残念ながら資金が足りなくなり、それ以上は接ぎ木苗を作ることが出来ませんでした。とりあえず、出来た苗から農場に定植していき、栽培面積を増やしていくことにしました。

パイロット農場は、多くの経済的にゆとりのない農民への普及のためであり、コストがかからない方法で栽培するようにしたので、あえて灌漑(水を引く)もしませんでした。そうしましたら、現地の農業技師達から、水辺で育っている植物が乾期の直射日光の中では、灌漑せずには保たないに決まっていると言われました。そこで、日本人なら当たり前ですが、現地では今までしなかったやり方で、除草した草でマルチをする方法を試してみました。アマゾン地帯では、雑草の生育がとても早く、旺盛で、現地では通常除草したあと燃やしてしまいます。そのあまっている雑草をカムカムの木の周りに極端に厚く敷いて、乾燥、地温の上昇を防いだら、乾期ももちたえることが出来ました。それから現地の農業技師達からあまり非難はされなくなりました。こうして、栽培のプロジェクトは進んでいき、あとは収穫が始まるまで待つことになりました。




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