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カムカムプロジェクトの実践報告

5.実践内容(6)

村の様子村人を集めての説明会 カムカムの木と実

これで、ようやくプロジェクトの準備が出来ました。まず周辺の村を回り、それぞれの村々人を集め、採集、輸送の仕方等の説明会をしていきました。
加工施設の建設も開始しました。水、電気もない町でしたので、加工場の建設前に発電機の設置や井戸の掘削から始めなければなりませんでした。 発電機の設置もまあ大変でしたが、もっと大変だったのは、発電機や船のエンジンに必要な燃料の調達した。

毎月最低でも15000リットルの石油と5000リットルのガソリンの確保で、こんなへんぴな所まで運ばなければなりませんでした。加工施設の建設で一番大変だったのは冷凍庫でした。移動が可能な40フィート(約12m)の冷凍コンテナを使用することにしましたが、リマから送って設置するまでに5ヶ月間もかかってしまいました。この町には、車さえも1台もないところでしたので、輸送手段はすべて人力のみで運ばなければなりませんでした。こうして、加工場の建設、採集のための準備、加工後の運送の準備ができ、やっと輸出ができるようになりました。

熟したカムカムの実

我々がこの町でプロジェクトを開始したことにより、町の人達が思っても居なかった二つの利点が増えました。
その一つは、電気です。加工場は冷凍庫があるので24時間発電しなければならないので、加工場の周りには24時間電気が点くようになりました。

もう一つの利点は、物価が下がったことです。


カムカム出荷風景

今までは物資を少量ずつ飛行機で運んでいたので、とても高かったのです。我々が入る前は、物によってはイキトスの3倍以上の価格でした。たとえば、コカコーラの1リットルボトルが、イキトスでは日本円に換算して約120円だったのが、この町では約3倍の350円でした。
我々が来てからは、船で燃料や必要な物資を運ぶときに、空いている所があるのでここに予め、町の人達が必要とする物をイキトスでまとめて卸値で買うので、利益を差し引いて売ってもイキトスとほぼ変わらない価格になりました。

このようにして、天然物ものの採集の場合には、自生している場所に加工場を設置して、プロジェクトを進めていくことにしました。




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