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カムカムプロジェクトの実践報告

5.実践内容(5)

テロ組織は、もともと貧富の差を生んでしまう現状の政策に不満を持ち、社会主義的、共産主義的政治活動をしていましたが、彼らの思想が受け入れられないため、エスカレートして武装闘争に走っていきました。ですから、我々も、本当に貧しい人達がより収益を得られるためのプロジェクトを実践しているのであり、やり方は違いますが目的は同じであると彼らに理解してもらうことにしました。

テロ組織に直接接触して失敗すると簡単に殺されてしまう可能性があるので、彼らの元幹部クラスの内で、途中で疑問を持ち組織から脱退した人達に仲介役になってもらうことにしました。日本では考えられないかもしれませんが、軍隊、警察の中にもとても悪い奴がいます。軍隊の一部が麻薬に手を出していましたが、金欲しさでやっていることなので、麻薬のことには触れず、カムカムの輸送をする仕事を与えて少しは儲けさせてあげ、適当によい関係を持つことにしました。軍隊に運ばせれば、ペルーではよく起こる、途中で強盗に遭うようなことがほとんどないので、我々にしても都合がよい点がありました。

飛行機による輸送

空軍には、小型飛行機でロレート県内の移動と運送、貨物機でイキトスからリマまでパルプの搬送を頼みました。陸軍にはヘリコプターで、イキトスなどの工場間の物資の運送を頼みました。海軍にも船で、パルプの運送を頼みました。このように陸海空の協力でプロジェクトは進み出しました。


ヘリコプターでの物資輸送1

ペルーでは、一般的に、やたらワイロを要求しようとする一番たちの悪い警察に邪魔をされないよう、仕事を与えて協力させることにしました。たとえば、町の警察署の署長に給料を払うので、こちらの必要な人数の警察官を手配するよう直接交渉することもでき、承諾してくれました。多分、署長と幹部が、警察官に支払う給料を多少横取りすると思いますが、それは、もうこちらの問題ではありません。


ヘリコプターでの物資輸送2

途中に何カ所かある検問所にいる、ワイロ欲しさに言いがかりをつける悪い警官や農業省の役人も、こちらに警官をつけていれば彼らは何も出来なくなります。このように、すべての組織と出来るだけ問題が起こらないようにうまく付き合っていくことにしました。




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