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カムカムプロジェクトの実践報告

5.実践内容(3)

カムカム栽培

今まで、農業省などの国の機関、国連などの国際機関、NGO団体などが色々な作物を栽培するプロジェクトをしてきましたが、結局は農民が儲からず失敗しています。この主な原因には、作物が出来るのですが、市場がなくて売れない、また売れても価格が安すぎて儲からないということでした。(儲かっているのは、農民ではなくプロジェクトを作っているコンサルタント、農業技師、ワイロをもらっている役人だけです)

農業は、最初のほうでも言いましたように、やはり収穫が出来ても、売って収益が得られなければ意味がありませんので、栽培ものの収穫が始まる頃には市場が出来ていなければ困ってしまいます。そこで、栽培ものが出るときには市場が出来ているように、栽培プロジェクトと並行して、天然物の採集、加工、輸出のプロジェクトも始めました。まず、カムカムの分布図を農業省から入手し実際に視察してみました。ところが分布図と実際の分布に大きな違いがありました。分布図は、簡単に行けるところだけ記入されていて、もっと奥地の、しかもより多くのカムカムの自生している場所が、記載されていませんでした。


カムカムの木

仕方ないので自分で調査することにしましたが、ロレート県だけでも日本の大きさですので、小型飛行機を乗り回しても一通り視察して新しい分布図を作るのに当初思っていたよりもかなり時間がかかってしまいました。

カムカムの果実は、とてもいたみやすいので、新しく作った分布図を元に採れる地域ごとに徐々に一次加工の工場を造っていくことになりました。


カムカムの木と実

ここで行う一次加工とは、果実から皮と種を除きパルプにしたあと、長期保存ができるように冷凍パルプにすることです。一時加工場は、何ヶ所かで始めましたが、その中でも一番遠い所にあり、社会的問題の多い小さな町に工場を造り、天然採集、加工、輸出を開始した時の状況を報告致します。




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